「うちは古い家だし、盗られるものなんて何もないから」——そう話すご高齢のご両親は、少なくありません。けれど最新のデータを見ると、むしろ高齢の一人暮らし世帯ほど、空き巣にも詐欺にも狙われやすいという傾向が浮かび上がってきます。

狙われやすいのには、はっきりとした理由があります。それは「お金持ちだから」ではなく、犯人の側から見て「侵入しやすく、だましやすい」と判断されやすいから。これは、本人の落ち度ではありません。

この記事では、警察庁や内閣府の公的データをもとに、シニア世帯が狙われやすい理由を冷静に整理します。そのうえで、ご本人にも、離れて暮らす50代の子世代にも役立つ「戸締り・見守り・プロの備え」という現実的な対策をお伝えします。

この記事は、警察庁・内閣府などの公的統計と、セコム公式サイトの公表情報をもとに作成しています。不安をあおるためではなく、正しく知って、家族で備えを話し合うためのものです。数値はいずれも出典を明記しています(2026年5月時点で確認できる最新データ)。

データで見る——高齢の一人暮らしほど空き巣に狙われている

まず、空き巣の被害です。住宅の戸数あたりで被害件数を見ると、65歳以上の単独世帯(一人暮らし)の一戸建が、全世帯平均をはっきり上回っています。

高齢の一人暮らし世帯ほど、空き巣・忍込みの被害が多い

一戸建10万世帯当たりの被害件数。空き巣は全世帯平均25.0件に対し65歳以上の単独世帯が34.1件、忍込みは平均12.0件に対し65歳以上単独が15.7件と、いずれも高齢の一人暮らしが多い。

出典:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」(一戸建・10万世帯当たり認知件数)

📊 数字で見る差(一戸建・10万世帯当たり・令和6年)

  • 空き巣(留守中をねらう手口)……全世帯平均 25.0件 に対し、65歳以上の単独世帯は 34.1件
  • 忍込み(夜間・就寝中をねらう手口)……全世帯平均 12.0件 に対し、65歳以上の単独世帯は 15.7件

どちらの手口でも、高齢の一人暮らし世帯の被害が平均より多いことが読み取れます(出典:警察庁 令和6年)。

「忍込み」は、家族が眠っている夜間に侵入する手口です。一人暮らしのご高齢の方にとっては、寝ているあいだに侵入され、鉢合わせれば危険につながりかねない——という点で、特に注意が必要な数字です。空き巣全体の手口や時間帯は 空き巣の最新データ記事 でも詳しく見ています。

なぜシニア世帯・戸建ほど侵入されやすいのか

では、なぜ高齢の世帯がねらわれやすいのでしょうか。警察庁の統計を解説したALSOK(綜合警備保障)などの防犯情報では、いくつかの理由が指摘されています。これらは「だまされる人が悪い」という話ではなく、犯人側の都合で決まりやすいという点が大切です。

  • 高齢者宅は一戸建が中心になりやすく、庭・窓・勝手口など侵入経路が多いとされる
  • 日中も在宅していることが多く、「居空き(在宅中の侵入)」の隙が生まれやすいと指摘される
  • 聴覚・視覚の衰えから、犯人に「侵入が容易・逃げやすい」と判断されやすいと指摘される
  • 現金を自宅に置く傾向があると見られ、狙われる一因になりうる

(出典:ALSOK公式サイト「防犯コラム」ほか/警察庁統計に基づく解説。傾向の指摘であり、すべての世帯に当てはまるものではありません)

⚠ 在宅していても安心とは限らない

「家にいれば大丈夫」と思いがちですが、住宅をねらった侵入には、家族が在宅しているあいだに起きる「居空き」「忍込み」といった手口があります。庭仕事・入浴・テレビに集中しているわずかな隙が、ねらわれることもあります。在宅時の対策は 在宅時の侵入(居空き・忍込み)対策の記事 にまとめました。

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侵入だけじゃない。特殊詐欺の被害も高齢者に集中

高齢の世帯を脅かすのは、空き巣だけではありません。電話などで信用させ、お金をだまし取る「特殊詐欺」の被害も深刻です。令和7年(2025年)の特殊詐欺は、認知件数27,832件、被害総額1,423.1億円で、前年比ほぼ倍増の過去最悪となりました。これは1日あたりおよそ3.9億円規模がだまし取られている計算です(出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」)。

51.3%
被害者(件数)に占める65歳以上の割合(被害総額では59.2%)
79.0%
最初の接触が「電話」だった割合。固定電話が入口になりやすい(令和6年)
1,423億円
令和7年の被害総額(前年比ほぼ倍増・過去最悪)

(出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」。電話の割合は令和6年確定値)

なお、65歳以上が被害者に占める割合は、前年の65.4%から51.3%へと下がりました。これはニセ警察詐欺の急増で20〜30代の被害が増えたことが背景にあります。ただし高齢者は依然として最も被害の多い層であり、被害額では約6割(59.2%)を占めています。手口によっては、被害者のほとんどが高齢者というものもあります。下のグラフのように、キャッシュカードや還付金にからむ手口ほど、高齢者の割合が極端に高いのが特徴です(手口別の内訳は令和6年確定値)。

特殊詐欺の被害者に占める「65歳以上」の割合(手口別・令和6年)

特殊詐欺の被害者に占める65歳以上の割合は、キャッシュカード詐欺盗98.8%、預貯金詐欺98.2%、還付金詐欺80.0%、オレオレ詐欺66.4%と、いずれも高齢者が多くを占める。

出典:警察庁「令和6年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について」(手口別の直近内訳。令和7年版は2026年8月頃公表予定)

✓ まず「電話に出ない・すぐ家族に相談」が効く

最初の接触の79.0%が電話です(出典:警察庁 令和6年)。だからこそ、留守番電話を常にオンにする・知らない番号には出ない・お金やカードの話が出たら必ず一度切って家族に相談する——この3つだけでも、被害に遭うリスクを下げることが期待できます。迷ったら一人で判断せず、家族や警察相談専用電話「#9110」へ。

「一人暮らしの高齢者」は2050年に向けて増えていく

こうしたリスクは、これから他人事ではなくなっていきます。65歳以上の一人暮らしは、2020年の約672万人から、2050年には約1,084万人へと増える見込みです(出典:内閣府「令和7年版高齢社会白書」)。

65歳以上の一人暮らしは2050年に向けて増える見込み

65歳以上の一人暮らし(単独世帯)の人数は、2020年の約672万人から2050年には約1,084万人へと増える見込みであることを示す棒グラフ。

出典:内閣府「令和7年版高齢社会白書」

つまり、「一人で暮らす高齢の親」「いずれ一人になる自分」が、これからますます増えていくということです。今は元気なご両親でも、数年後を見据えて家族で備えを話し合っておく価値は十分にあります。

こんな不安、ありませんか?

「離れて暮らす母が、あやしい電話にだまされないか心配」「父が一人の家に、夜中だれか入ってこないか気がかり」——こうした不安を抱える50代の方は多いものです。感じ方には個人差がありますが、“もしも”のときに気づき、駆けつけてくれる仕組みは、ご本人にも家族にも安心の一助になります。

我が家を守る3つの備え——戸締り・見守り・プロの目

不安だけが大きくなっても、行動につながらなければ意味がありません。シニア世帯の備えは、「戸締り」「見守り」「プロの目」の3段構えで考えるのがおすすめです。一つずつは難しくありません。

① 戸締り——今日からお金をかけずにできる

  • 短時間の外出やゴミ出しでも必ず施錠。侵入手段で多いのは「鍵のかけ忘れ(無締り)」とされています
  • 窓に補助錠(ワンドア・ツーロック)や防犯フィルムを足して、侵入に手間と時間をかけさせる
  • センサーライトや砂利で「光」と「音」を足し、犯行をあきらめさせる
  • 固定電話は常時留守番電話に。お金・カードの話が出たら一度切って家族に相談

こうした対策は、侵入に手間と時間をかけさせて犯行を“あきらめさせる”こと、そして詐欺の入口をふさいで被害リスクを下げることにつながります。「絶対」「100%」はありませんが、抑止の積み重ねが大切です。

② 見守り——家族のゆるやかなつながり

離れて暮らす親なら、こまめな電話や声かけそのものが立派な見守りです。「最近こんな電話が多いらしいよ」と詐欺の手口を共有するだけでも、いざというときの相談先になります。とはいえ、毎日見守り続けるのは家族にも限界があります。

③ プロの目——24時間の備えを重ねる

✓ 個人の対策には限界がある。だから重ねる

戸締りや家族の声かけはとても有効です。ただ、留守も在宅も、昼も夜も、24時間ずっと見張り続けることはできません。火災や急な体調不良が重なることもあります。「自分でできる対策」に、「異常があれば駆けつけてくれるプロの備え」を重ねる——これが、シニア世帯にとって現実的で安心感のある形だと考えられます。

離れて暮らす親にも。セコムという選択肢

ホームセキュリティは、家に取り付けたセンサーが侵入・火災などの異常を24時間365日感知し、異常があれば警備会社のコントロールセンターへ自動で通報。緊急対処員が現場に駆けつけて対処する仕組みです。高齢のご家庭では、防犯だけでなく火災監視や、急な体調不良時の救急通報にも対応できる点が大きな安心につながります。

なかでもセコムは、日本で初めて家庭向けホームセキュリティ「セコム・ホームセキュリティ」を発売した会社として知られています(セコム公表)。シニア世帯・親の見守りという観点では、次のような点が公表されています。

シニア世帯の不安セコムの備え(公表内容・2026年5月時点)
夜間・留守中の侵入センサーが異常を感知し、コントロールセンターへ自動通報。緊急対処員が急行
火災・ガス漏れ火災監視・ガス漏れ監視に対応。必要に応じて消防などと連携
急な体調不良救急通報ペンダント等のオプションで、押すだけで通報できる
離れた親の安否一定時間動きがないと知らせる「安否みまもり」などの見守りプラン

※ 上表はセコム公式サイトの公表内容にもとづく一例です(2026年5月時点)。対応範囲・プラン内容は変更される場合があります。

センサーが異常を感知すると、①コントロールセンターが状況を確認し、②緊急対処員に急行を指示、③現場で適切に対処、という流れで動きます。詳しい仕組みや、離れた親の見守りについては、次の記事で解説しています。

サービスの中身や料金は、住まいの形や設置内容によって変わります。料金はあくまで「目安」であり、月額・初期費用の税込/税抜の別や適用条件は、各記事・公式資料で必ずご確認ください。一般に「離れた親の安心につながった」といった声が挙げられますが、感じ方には個人差があります。

まずは無料の資料請求から始める

セコムの料金は「家の広さ」だけで決まるものではなく、窓や扉などの侵入経路を踏まえたプランによって変わります。だからこそ、まずは無料の資料請求で、我が家や親の家にどんな備えが必要かを知ることが第一歩です。

  • 資料請求は無料。ネットから数分の入力で取り寄せられます
  • 戸建・マンション・親の見守りなど、目的別にプランや料金の目安(住まいで変動)を比較できます
  • 気になれば、現地を見たうえでの無料見積りも依頼できます

資料請求から契約までの流れや、注意したい点は セコムの資料請求の流れガイド にまとめました。「今、自宅が狙われている」という全体像は こちらの総合記事 もあわせてどうぞ。

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よくある質問

本当に高齢の世帯ほど空き巣に狙われているのですか?
警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」によると、一戸建10万世帯当たりの空き巣被害は全世帯平均25.0件に対し、65歳以上の単独世帯は34.1件と多くなっています。忍込みも平均12.0件に対し65歳以上単独は15.7件です。詳しくは 空き巣データの記事 をご覧ください。
離れて暮らす親のためにも使えますか?
はい。救急通報ペンダントや、一定時間動きがないと異常を知らせる安否みまもりなど、高齢の親御さん向けの見守りプランがあります(セコム公表・2026年5月時点)。詳しくは 親の見守り記事 をご覧ください。
特殊詐欺は、どんな対策が効果的ですか?
最初の接触の79.0%が電話です(出典:警察庁 令和6年)。留守番電話を常にオンにし、知らない番号には出ず、お金やカードの話が出たら一度切って家族に相談する——この基本だけでも被害に遭うリスクを下げることが期待できます。迷ったら警察相談専用電話「#9110」へ。
防犯対策をすれば、被害は完全に防げますか?
残念ながら「絶対」や「100%」はありません。防犯の考え方は、侵入に手間と時間をかけさせて犯行をあきらめさせ、被害に遭うリスクを下げる(抑止する)ことです。戸締り・見守り・プロの備えなど、複数の対策を重ねることが効果的とされています。